鉢でバラを無農薬栽培

一部品種は時期によって低農薬の時もある

夏日連続

東京の23区は日々夏日

本来、少し乾かし気味に育ててあげたい時期だが

水枯れを心配して毎日バラに水を与えてます

我が家は寺西氏の「未来」がトップバッターに咲きました

クレマチスのトップバッターは

「カートマニージョー」

二番手の「柿生」も咲きました

他にはコデマリ、小松菜、ビオラが咲き誇ってます

紅麹は悪くない(その7)紅麹と麹の違い

紅麹を理解するためにこちらを説明します

麹菌の寿命は
人間と比べてかなり短いです
ヒトは80歳くらいが平均寿命ですが

紅麹には寿命という概念はありませんが
分裂するサイクルは1週間なので
1週間だとします

80歳と1週間では各々の流れる時間が違います
よく「耐性菌」という言葉を聞きますね
菌はこのように人間と流れる時間が違うため
世代を重ねて変化することができます

よく言われるのは
殺菌薬を使う
生き残る菌がいる
今度は生き残る菌が分裂を繰り返すと
その殺菌薬が効かなくなります

また「有性世代」と言葉があります
簡単に説明すると「オス」と「メス」がいて
世代交代を行うタイプの生き物のことです

「オス」と「メス」が交わることで
遺伝子が変化します

人間はもちろん「有性世代」ですね

菌の場合「有性世代」「無性世代」
どちらも存在します

麹菌(紅麹ではなく麹菌です)は「無性世代」と言われてきました
※近年もしかして「有性世代」の可能性もあると言われてます

「無性世代」とは簡単に言うとクローンです
体細胞分裂で分裂をいます(「分生子」といいます)
遺伝子的に同じってことですね

まあ、だから割と麹菌の遺伝子は変化が少ないのです

じゃ~「紅麹」はどうか?
無性世代と有性世代の両方を有しているようです

小林製薬
https://kobayashi.yet2.com/res/innovation-portal/need.jsf?needID=123115


次は「麹菌」「紅麹」の種を比べてみましょう

「麹菌」と呼ばれるものは
「アスペルギルス属」という仲間が多く
※麹菌の分類はとても複雑です

「紅麹」は「モナスカス属」という種類です

ちょっと難しいことをいうと
生物学的にどうか?
役目的にどうか?
それによって分類が異なります

役目的な話の場合
「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」
役目的な部分でいうと
麹菌(主にアスペルギルス属)と「紅麹」は同じ仲間になります

では生物学的にはどうかというと

全然違う種類

となります
ニホンコウジカビ(アスペルギルス オリゼー)と紅麹を比べると

分類学
ドメイン:真核生物 Eukaryota
門:子嚢菌門 Ascomycota
綱:不整子嚢菌網 Plectomycetes(ユーロチウム菌綱 Eurotiomycetes)
分類学は変化する。不整子嚢菌網の方が古いタイプの分類だが、こちらの方が分かりやすい
目:ユーロチウム目 Eurotiales

ここまで一緒です

ニホンコウジカビ(アスペルギルス オリゼー

科:マユハキタケ科 Trichocomaceae
属:コウジカビ属 Aspergillus
種:ニホンコウジカビ A. oryzae

では「紅麹」は

科:モナスカス科 Monascaceae
属:モナスカス属 Monascus
種:ベニコウジカビ M. pilosus
小林製薬の使用菌

「科」から違うので
身近で例えるなら
ヒトと犬くらい違うということですね

紅麹は悪くない(その6)

まず食品等で雑菌を増やさないためにはどうするか?

下記のサイトが大変わかりやすくとても参考になります

http://home.a02.itscom.net/coffee/sake02.html#:~:text=%E3%81%8A%E9%85%92%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AB,%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%80%81%E7%99%BA%E9%85%B5%E3%81%8C%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

上記のサイトを簡単に説明します

発酵食品に関するポイントを抑えながら読んでください
発酵に関することなので「酵母」がたくさん登場しますので
酵母」と「麹菌」を分けて考えてください
ただ「酵母」と「麹菌」はセットになっている工程も多いです


酵母」と糖をアルコールと炭酸ガスに分解します
「麹菌」でんぷんをブドウ糖、タンパク質をアミノ酸に分解する酵素を作ります(紅麹はこの仲間)
「雑菌」(今回毒素を生み出した原因と思われる菌)


酵母」VS「雑菌」では
圧倒的に「雑菌」の方が強いです

ただ、人間が手助けをしてあげて
酵母」が圧勝するような環境を作ってあげます

まずは
酵母」だらけの環境にしてあげる
酵母」の大好きな糖を用意してあげる

まず「酵母」が大好きな環境を作ってあげると
酵母」は無敵ツールを生み出します

それは

アルコール!!

アルコールを発生させ「雑菌」をせん滅します

で、その「酵母」たちはどこにいるか?

今はいろんな「酵母」が販売されていますが
昔はブドウやリンゴなど「糖」の高い果実から
酵母」を連れてきて育てるんです

酵母」は特殊な環境でも生きることができます

まず温度帯により管理の方法が違うようです

 

【雑菌が育ちやすい温暖な地域】
「乳酸」や「クエン酸」の濃度を高くして
酵母」を優勢にします

「乳酸」があると他の「雑菌」は死滅します

酵母」にとって決して好きな環境ではないのですが
生き延びることができるそうです

まずそのために必要な菌があります
それは「乳酸菌」です

まず大切なことは「雑菌」より早く「乳酸菌」に乳酸を作ってもらうこと!!

「雑菌」が先に繁殖してしまうと毒素が生まれてしまうからです

 

【温度が低い地域】

温度が低く増えることができる菌
それは「酵母」です

日本で寒い地域でお酒造りが盛んな理由の一つ
お酒でいうと「寒造り」

暖かすぎる地域は
クエン酸をたくさん出す「黒麹」を使って
酵母」を増やします

他には仕込み水の代わりにアルコールを使う方法があります

雑菌を退治するためには
「乳酸」「クエン酸」「アルコール」を使って
酵母」守りながら数を増やしていくのです

【補足説明】
あまり「麹菌」登場しませんね
実はお酒をつくるために必要なのが「糖」です
果実を原料とする場合(ワインなど)は果物の糖を使いますが
日本酒の場合はでんぷんを糖化させる必要性があります

そこで登場するのが「麹」です
えこひいき作戦(その3)あたりで

酵母」と「麹菌」がセットで登場します
そのために上記の「酵母」のためだけの説明が必要となります

この「えこひいき作戦(その3)」がモロミの説明になります

日本酒の過程では
このモロミの段階で雑菌が入らないようにし
また少し入ったとしても「大数の法則」という
「ある微生物だけを増やしたければ、それを大量に入れなさい」という法則にて
ほぼ酵母と麹状態なります

そして炭酸ガスとアルコールが出てきて
炭酸ガスの泡がモロミの表面を覆うようになると
「雑菌」が発生ができない状態になり、だいたい安心になるようです
これが「湧きつき」という工程です

酒蔵の画像付きの工程説明です
http://news.hamachidori.net/?eid=770808

その後、日本酒が

いかに手間がかかるか?

という工程が続きます

何故手間がかかるか?は
「雑菌を抑え込む」作業だからです

もちろん段階的に
安心度が増えてくるのですが
でも気を抜くと「雑菌」だらけになってしまいます
そのために伝統手法と
また熟練したモニタリングが必要になるのです

実は「発酵」とは

・「雑菌」の抑制
・適切なモニタリング

それでもっとも手間がかかるのが日本酒です

日本酒の場合「杜氏」というプロの技術者が
常に目を光らせてお酒の状態を観察しています

少し優しいのが
味噌や醤油ですね

この場合は「温度」「空気」「塩分」が大切になります

面白い実験がありました
「みそに病原菌を入れたらどうなるか?」
https://www.takeya-miso.co.jp/column/003.html

では小林製薬の「紅麹」はどうやって培養されていたろう?

「紅麹」も雑菌に「雑菌」に比べたらとても弱い存在であるため
まず「雑菌」に細心の注意を払う必要性があります

のちにサプリメントにすると考えると
一番手っ取り早いのは無菌での培養かな?と思います

紅麹は悪くない(その5)

小林製薬の「紅麹」に関する健康被害

私が当初予想していたことは

・紅麹以外の雑菌が紛れ込んだ
・紅麹が別の種と遺伝子が改変されてしまい、それが毒素を出すようになった
・製造過程で意図的に毒が混入された

現在「プベルル酸」が原因でないか?と
発表されたので
「雑菌説」の可能性が高いと思います

ただ小林製薬は他にも候補があると言ってますが
発表にまでは至ってません

これで思ったことは
これも他の雑菌系の毒素かも…

と推測しました

量的に「プベルル酸」が多く検出されたので
発表をこちらのみにしたかもしれません

ただそう考えると
管理に問題がある可能性がかなり高いですね

小林製薬は独自の研究所を持っていて
そこで「紅麹」研究もしています
https://research.kobayashi.co.jp/

「紅麹」他に「杜仲」「シイタケ菌糸体」などの
研究が進められています

「紅麹」の場合
小林製薬で使用している
紅麹菌はMonascus pilosus
「プベルル酸」毒素の発表される前は

「紅麹」の毒「シトリニン」では?という
ネットであふれかえっており

「紅麹」=毒
と憶測されていました

近年世界的なサプリメントになった「紅麹」ですが
一部、ヨーロッパの方で健康被害があり
ヨーロッパでは「シトリニン」の基準値を設けてます
こちらは中国産の「紅麹」で起こりうる現象です

実は日本の「紅麹」は優秀で
小林製薬の研究所が次世代シークエンサーを使用して
※次世代シークエンサー:ゲノム(遺伝子)を解析するためのもの
毒を生成しない種だと発表しています

実はこれはかなりすごいことなんです

日本では「麹」はとても大切にされました
すごく大切に過保護に守られていたので
毒素を生成しないてもよいので
毒素をつくらない種になったんだと思います

実はカビの世界では
熾烈な競争が行われており
自分の餌場を守るため
また敵から自分をまもるために
毒素を生成します

それらが私たちが使用している
抗生物質などです

多分、中国の紅麹菌は
雑菌と一緒にいる率が多かったんだと思います


今回の事件は
その研究所の落ち度というより
私は工場で紅麹を管理していた
そこの何かで雑菌が混ざったと思います
混ざっていたと考えるのは以下のものです

・菌種
・紅麹の餌(多分米)経由でそばにいた
・タンクに雑菌が残っていた
・作業過程に使う道具から菌が入った

私が思うに青カビ経由「プベルル酸」が発生した可能性から
抗生剤ペニシリンを作った種(Penicillium種)で
ある可能性が高いと思います

何かの形でタンクに入ったかもしれない

米は蒸米にして与えるので
そこでついていた雑菌は消えます
そこで「紅麹」を撒いて発酵を始めます

ただ青カビは胞子はそこらにいっぱいいます
そのために雑菌を繁殖させないようにするのが大切なのです

紅麹は悪くない(その4)

マスコミが
原因毒素と思われるものを発表した

「プベルル酸」

あのペニシリンを生み出した
Penicillium(ペニシリウム種)の
青カビ経由の抗生物質のようなタイプ物質の可能性が高いそうです

ひとつ考えられることが
紅麹の餌として米を使うと思うのですが
そこに雑菌としていた可能性もあるかな~と思いました

または菌種に雑菌として
この菌がいた可能性もあります

例えば
黄変米の原因菌として知られる
ペニシリウム・シトリナム(P.citrinum)

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kabi/files/kabi.pdf

プベルル酸は
マラリアの抗生剤として研究が進んでいたらしいです

マラリアに効果がある抗生物質といえば
放線菌(Streptomyces avermectinius)から生み出された
16員環マクロライド化合物「エバーメクチン」です
ノーベル生理学をとった大村 智博士が発見者ですね
https://www.kitasato-u.ac.jp/lisci/international/OmuraSatoshi.html

紅麹は悪くない(その3)

日本の「紅麹」は
「着色料」として使われる食品添加物の一つ

また発酵食品のもろみ

日本の食生活に
色々と使われています

今回の小林製薬の「紅麹」の事件は
「紅麹」が悪いわけでないと思います

ここからは私の憶測です

紅麹ではない
「他の雑菌」が入り込んで
毒素が作られた

 

要は管理が悪かった
途中でモニタリングしてなかった

そのせいだと思います