鉢でバラを無農薬栽培

一部品種は時期によって低農薬の時もある

フランシスデュブリュイ

フランス語の発音のせいか?
色々な名前で呼ばれているバラ
Francis Dubreuilさんが1894年に作出した
ティローズとされているオールドローズ

まずオールドローズの定義は色々あり
1 1867年以前に作られたバラのこと
※「ラ・フランス」を境にモダンローズとオールドローズを分ける考え方
2 作出してから100年以上たっているバラ
3 品種による区分け

3の考え方はオールドローズとして区分けされているものが
新しく生み出されてもオールドローズの1種として考える方法

まあ、こんな感じで色々ですが
「フランシスデュブリュイ」は3番の品種による区分けによってオールドローズとなります

ただ「フランシスデュブリュイ」はティ要素がないと言われているバラ
ティ要素とは、紅茶のような香りのバラのこと
パッと思いつくのは「レディヒリンドン」かな

モダンローズにもハイブリッドティというのがありますが
これはティとかチャイナローズ、ハイブリッドパーペチュアル等がミックス
こちらはティの香りというより
ティを先祖にもつバラ
代表的なのはモダンローズの祖というべき「ラ・フランス
花型がゴージャスで1点豪華な花を愛でる目的のためのバラ

「フランシスデュブリュイ」の話に戻りますが
元々あったコルデスの「バルセロナ」なのではないか?説(河合伸志氏の説)
第二次世界大戦で敗北したドイツのバラの流出した一つではないか?とのこと

バルセロナ」作出はWilhelm J.H. Kordes II氏、1932年(現コルデス社の祖)
ウィルヘルム・コルデスII世(1891-1976)
コルデス社は1887年、ヴィルヘルム・コルデスⅠ世が
北ドイツのエルムスホルンという村に、園芸農場を興したことに始まりだそうです

その事業を拡大して成功させた一人がウィルヘルム・コルデスII世
いまだに人気がある「アイスバーグ」は息子のライマーコルデス作出

第二次世界大戦で敗北したドイツ
ドイツバラは海外に流出されました

バラ大国のイギリスは優秀なドイツバラを撲滅しようと躍起になっていたようです
有名な話が「クリムゾングローリー」の話
ちなみに「クリムゾングローリー」の作出はウィルヘルム・コルデスII世

偉大なクリムソン・グローリー
https://karuchibe.jp/read/15614/

何故?「フランシスデュブリュイ」から「クリムゾングローリー」の話へ?
そう、このバラたち似ているんですよ
香りや色、形が!!なので同じ系統では?と感じた方も多いはず

それに戦争でごたごたあった時代
バルセロナ」も海外に流出し違った名前で発表され
それが「フランシスデュブリュイ」
搾取したのか?託されたのか?

戦争前まではウィルヘルム・コルデスII世は
フランスやイギリスにもつながりがあり
海外の品種に対して賞を与えない
イギリスバラ協会からドイツバラとして受賞したのが「クリムゾングローリー」

ちなみにFrancis Dubreuilさんは
メイアン家で一番最初に育種を始めたさきがけになった方
その娘さんがアントワーヌ・メイアンさんと結婚し
そのお孫さんがフランシス・メイアンとなります

メイアン社(1850年創立:アントワーヌ・メイアン)
Francis Dubreuil
 ↓            ↓
アントワーヌ・メイアン×Francis Dubreuilさんの娘(クラウディア)
 ↓
フランシス・メイアン(作出:ピース)、早くに亡くなった
 ↓
アラン・メイアン

「パパメイアン」(アラン・メイアン作出)
祖父アントワーヌ・メイアン氏に捧げた

「ピース」(フランシス・メイアン作出)
母親のクラウディア・メイアンさんにささげたバラ
戦争でアメリカに流出され発見
「マダム アントワーヌ メイアン」をConard-Pyle社が改名し「ピース」へ

上記のとおり
「フランシスデュブリュイ」は
あのメイアン社の土台になったバラ

なので今更「コルデスのバラでは?」なんて許せるわけないのです
今なら遺伝子から割り出すことも可能でしょうが
そんなことメイアン社は黙ってないでしょうね

この説はひっそりこっそりと
赤バラ愛好家のなかで

ほんとはドイツバラだろうな~と思われているわけです

「フランシスデュブリュイ」は
そんなドイツバラの流れがあるので
根性があるバラなんですよ

うちは「フランシスデュブリュイ」はないですが
それを交配につかった

「アンダーザローズ」
「ベルベティトワイライト」

「アンダーザローズ」はバラの家さんのタイプ2ですが
タイプ1に近いタイプのタイプ2と感じます

「ベルベティトワイライト」は耐病性はそんなに高くない(普通)のですが
「クリムゾングローリー」に通じる根性みたいなものがあります
河合伸志氏のバラなので交配情報が「フランシスデュブリュイ」でなく「バルセロナ」となっているわけです
ちなみに同じ時期に「バルセロナ」を使って発表したバラに「真夜」があります

 

「ベルベティトワイライト」の秋バラです。ダマスクとフルーツの香り。ヒラヒラしたバラ。秋はわりとローズ色的な紫となります

バラ泥棒

秋バラを狙うのはムシだけじゃなく
咲いたバラをカットして持っていてしまう人がいるんです

バラを持って行かれてしまうのは
もちろん残念ですが

犯罪行為を無抵抗にできてしまう方が
そばにいること自体が薄気味悪いと感じてます

近所の方ではないと思います
少しづつばれないようなつもりでカットして持っているようです

忽滑谷史記氏の「ナイトサーカス」
新苗で今年購入し素晴らしい秋バラが咲きました

しかし1本は折られていました
折って持ってこうとしていたんですね
私が家から出てきたので折られたバラだけが残り
子どものいたずらか?それとも通りすがりの人が
何かで折ってしまった?と思ってました

それから

満開に咲いていた「グラシアール」がなんか少ない?
「スイートムーン」の咲いていた奴がない?

盗まれたとようやく確認できたのが「ナイトサーカス」
新苗なので咲く本数が少ないですからね

綺麗に咲いたバラは3つ
1 折られたバラ
2 盗まれたバラ

最後の3つめこそちゃんと美しい写真を撮ろうとした矢先

蕾を豪快に食べられました
犯人はたぶんコガネムシかな?

※追記
こちらの犯人はホソオビアシブトクチバだった

せっかく美しく咲いた「ナイトサーカス」
1枚だけ開きかけの写真がありました
色がね面白いのだけど写真だと再現できないようです
※商品写真では紫が強く出てますがもっと茶系の深い赤

「アストリットグレーフィンフォンハルデンベルク」に似てますね
黒バラというより赤濃茶バラですよ

良質なドライフラワーような感じが面白く
それが日々、色が移り変わり面白いバラなんです
花持ちはよい方ですし、雨にも強いです
※多分ね、花の質感から

しかも忽滑谷史記氏のバラは
1年目はさほど良くないんです
翌年からですね
花がしっかりしてくるのは

似てないのですが、この不思議色系は
寺西菊雄氏の「ウォンカ」に共通するところがあります

「ウォンカ」はもっと明るい茶紫グレーで全然違う色合いですが
「ナイトサーカス」はもっと沈んだ色合いで赤が基調の茶系

ブルーイング、ブラックイングとも違う
ブラウンイングというべきバラってところ

ちなみに「ウォンカ」は売ってません
売っていたとしても難しすぎて無農薬で育てるのは不可能

忽滑谷史記氏にはぜひ
この「ナイトサーカス」の不思議色を
特化してほしいな~と感じました

しかも無農薬でも耐えうる耐病性
花持ちもよく樹形も上に伸びるかな?
雰囲気は木立てかな?
夏は暑さに弱いみたいで成長はストップするが
※我が家は強靭のシャリマーすら停滞してますので
秋からグーンと伸びます
春と秋の成長期に伸ばしてあげるとよいと感じました
害虫もわりとつきにくい(ほかのバラに比べて)
耐陰性は普通かな?
※耐陰性が厳しいなと感じるのは「ミスティーパープル」

今年の新品種なのでまだいろいろとわからないことだらけです
紹介文にある「縁取りが淡くなる糸覆輪」
時間が経過するとはっきり出てくると感じました
なので長くガーデンで咲かせるのに向いていると思います

総合して「魅力的なバラ」と感じています

写真では紫が強くでますが、実際はもっと黒バラ?的な色合いです



 

ロサオリエンティスのバラ

無農薬で育ていると
耐病性が高いロサオリのバラは
本当に助かります

ただ期待値が大きすぎて
実際に育てみると
花弁が雨に弱いとか樹形がとか
また新たなる欲望を掻き立てられるのも事実

その中でその欲望を満たしてくれるバラ
それは「トリニティ」だと思いますね

耐病性をきにせずに
木村氏の一番すごいと感じたバラは
でもう処分してしまった「ル シエル ブルー」

カタログにも書いてありましたが
このバラの真価を発揮するには
3~4年かかりますが
この花型にこの花色、この花付き
いまだに同じような品種は存在していません

自分の中で「変バラ」でツボなのが「ブルーグラビティ」
カタログにある美しい姿は一瞬で
あとはメンフクロウを思わせる平たい「変バラ」になります

しかも青バラなのに花持ちがすごいよく
面白いメンフクロウのような状態が長く楽しめます
「花持ちがよい」青バラはあまり存在しないので
ここらはポイントが高いのでは?

もしかしたら株が育てば、花型も変わるかもしれません
ただ黒点病で下葉を落としてしまうので
ナカナカ大きくなりません

今年あたりから無農薬に対する耐性が少しついてきて
昨年よりだいぶ丈夫になったと感じます
ポテンシャルは高いバラですよ。

面白いのがポイント的に葉は斑が入るんです
まあ、たまに1枚とか程度なんですけどね

ブルースハープが!!

9月あたりから雨の日々
はっきりしない天気が続き、雨の予報でないのに霧雨
そんな天気が1か月近く続くと
バラちゃんたちは黒点病になっていきます

耐性の弱い物から丈夫と豪語するものまで
雨ニモマケズリバーシブルピンク)」さえ雨に負けてました

秋の長雨の初期からどんどん黒点病が悪化して
ほとんど葉がない状態になった「サラマンダー」
となりには大好きな「ブルースハープ」がいるんですが
「サラマンダー」から黒点病が感染し
そちら側のみ黒点病が大発生
まるでアシュラ男爵のようです

黒点病はうどんこ病ほど感染力は強くないんですが
雨が続くとやはり感染しますね

それに「ブルースハープ」自身
耐病性は高くありません

そういえば常に黒点病まみれの「バレッタ」から
黒点病にほとんどかからなかった
「ブルーフォー・ユー」が感染しました

こんなに「ブルーフォー・ユー」が黒点病になったのは初めて
梅雨でもこんなひどくならないくらいです
※少しはかかるが、今回のように50%以上葉を落とすことは
 無農薬に慣れてからはなかったことです

今回のことで私なりに仮説を立てました
バレッタ」と「ブルーフォー・ユー」は
葉の形状に似たようなところがあって
もしかして遺伝子的に近いかな?と思っています
その場合、その経由にて感染度が上がるのかも…と感じました

なので同じようなタイプは
別々の場所においた方がよいかもしれませんね

 

下記の写真は同じ日、時間に撮影したもの

↑「サラマンダー」側の黒点病まみれな状態。

 

↑反対側、少しは黒点病に罹患しているが、上の状態と全然違う

 

ちなみに「サラマンダー」は黒点病で20~30%しか葉が残っていません
原因はこの秋の長雨です
育てて2年目
1年目はそうそうに黒点病でハゲあがりました
2年目の今年は夏まで耐病性は高いと感じていたほど頑張っていました
夏は沈黙の夏でしたが、秋涼しくなったらツルが伸びて調子が良く、花も咲きましたが
さすがに長雨で黒点病になり成長もストップ
秋花もそんなには咲きませんでしたが、しかし1か月くらいもつ脅威の花持ち
まだ育てて年月が浅いので、不明点が多いバラです

 

秋雨

ずっと雨が続いているせいで
黒点病になるバラも多いです

ひどいのは「サラマンダー」「バレッタ

日照が少なく温度も高めなためか
9月後半からバラが咲き始めてしまいました

まだ夏バラ状態
なのでたくさんついた蕾は摘んでしまいました

雨や温度でダメになってしまうバラも多いなか
今年はオオタバコムシの被害がすごいです
少ない蕾を半分ダメにされました

明日の雨が明けてから
晴れが続くようですね

タイミングよく咲いてくれるといいのだけれど

バラの蕾や花の害虫(秋編)

色々といるが我が家に出没する
花や蕾を狙う虫を紹介する
※葉をメインに狙っている虫は除外している

【予防法】
●見つけたら捕殺
ニーム木酢液を散布
●蕾をなでる

蕾を暇さえあればなでている
これにより害虫の発見率
また、産み付けられた卵をつぶす(落とす)ことができ
意外に効果的である

またなでることで蕾の状態やダメな蕾もわかる

ダメな蕾とは
●虫が食べてしまっている
●形が変でちゃんとした花が咲かない

では、虫たちを紹介する

【バラゾウムシ】
ようやくついた蕾
それを食い荒らしてしまう憎き虫

しかし無農薬でバラを育てているが
意外に被害が少ない

木酢液ニームのニオイが
お嫌いらしく
割と被害は少ないのである

これは憶測だが
匂いに敏感な虫なんだろうなと
だからバラの蕾が好きという
グルメ虫なのかもしれない

落下という逃亡を試みるので
発見したら落ちる場所に手を添えると捕殺率が高まる

コガネムシ
色々な意味で憎い虫
バラが弱る、枯れるのほとんどの原因は
幼虫の根切り虫のせい

見つけたら即刻捕殺
つかまえて手でつぶすには無理があるので
靴で踏みつける

【ヨトウムシ】
蕾も葉もなんでも食べている模様
クレマチスやバラも堪能している

【アシブトホソオビクチバ】
かくれんぼの天才
夏あたりから秋によく目撃するのだが
夏はスズメバチたちがハムシ系を一層してくれるが
このアシブトホソオビクチバは見逃してしまうケースが高い
昼間はジッとしているからか?
ハムシだってジッとしているけど?

憶測だが
植物との共生関係であるスズメバチはまず植物が出す
食害にあっている信号がわかるんだと思う

昼に食害をするハバチ類
食害をうけるとバラがSOSの信号を発し
それを目安にスズメバチは大まかな場所を把握
正確な位置は視覚を頼りに狩りをする

しかし夜、葉を食べるアシブトホソオビクチバの場合
その信号が少ないのと昆虫たちの視覚で捉えにくい
巧みなかくれんぼ術で天敵たちをやりすごしている

で、夏剪定が終わったあと
新芽を食べちゃう困る虫なんだけど蕾も食べてる

【アブラムシ】
春にくらべて少ない
蟻がいると大抵いる

【アザミウマ】
咲いた花の花粉を食べているよう
花びらにシミをつける

無農薬の場合は大量に発生する
切り花にして飾る場合は
蕾がほころんだらすぐカット

雨などで咲いた状態のものを切り花にする場合は
逆さにして出てきたところを振って落とす
色の薄いバラでみるが赤バラにいるのか?見えないのか?

************

ここからはあまりバラ本でみないマイナーな害虫たち

【ルリマルノミハムシ】
花粉や花びらを食べるんだが
花びらの根元を食べて花も散らす困ったちゃん
白系の花がよく狙われる

ヒメマルカツオブシムシ
バラだけでなく白い花全般狙われる
特にオルレアの被害がひどい

【オオタバコムシ】
秋に発生する蕾や新芽を食べる犯人
今年は特に被害が大きい
蕾の半分以上をダメにするほどの被害を出す

クリムゾングローリー

銘花中の銘花だと思っています
うちでは「クリムゾングローリー」様とお呼びしてるっす

「パパメイアン」「オクラホマ」など
黒バラの交配親になっているバラです

誕生した時はあのビロードの花弁
深い赤は衝撃だったといいます

品種改良が進んだ現代のモダンローズは
「クリムゾングローリー」様より素晴らしいバラは
山のように存在しますが

ただ、あの香り…
あの香りだけはいまだどのバラも越えられずにいます
ダマスクとフルーツの塩梅が特別素晴らしいのです
なんだろう?
あの炭酸を思わせるようなすがすがしい後にある香り
フルーツ香なんだけど
あれがたまんないのです

開花している最中はひたすらフガフガと嗅ぎ倒しています

ただあまり花をつけると株が弱るので
ある程度したらカットして今度は室内でフガフガ

あの匂いは本当にたまりませんね

※ちなみに似た香りでの2番手候補は「パブロック」「アンダーザローズ」

匂い以外ね…
いわゆる短所ですが
樹勢が横張りでね
暴れますよ
あ、「ローズシナクティフ」ほどではないです

無理やり針金(パンのねじねじ)とか使って
あまり横にいかないようにしてます

パンのねじねじはね
クレマチスとか留めるので常備しているんですよ
それを枝が柔らかいうちに支柱で固定

花はそんな感じで横向きで咲いたりしてますよ
でもいいんです
香り目的ですので

花持ち悪い方で
写真にあるあの美しいのは一瞬
すぐパカーンとなってしまいます
シベも鑑賞タイプではないですよ

耐病性はうどんこ病に弱いタイプだと思います
窒素系の肥料を少なめにして少ない量で回数を上げる感じです
無農薬だと発生率は少なくなってきますね

黒点病は普通ですね
無農薬だと普通にかかっています

弱いタイプのバラでないので
細かいことにこだわらなくマメにお世話をすれば
無農薬でもOKだと思います
まあ、無農薬向きではありませんけど

もっとも気を付けるべきことは
暑さです
夏ですね
黒バラは全般的に暑さに弱いんです

花びらがチリチリって言われますけど
鉢だと根もかなり弱るので我が家では涼しいところに避難

基本、黒バラや紫系のバラは耐陰性も弱いのですが
日本の夏にも結構弱いんです
「ノーヴァリース」は葉が黄色変色するほど
ただ、「ノーヴァリース」はでかいので秋に復活しますが
「クリムゾングローリー」様に関しては
季節によって頻繁に場所を変えています

ムレにも弱く
土が濡れていても
クターとなるときがあるので
その時は新鮮な水をジャバジャバあげます
するとシャッキンとなり復活します

横に咲いてる「クリムゾングローリー」様、葉は「スイートセレナード」