鉢でバラを無農薬栽培

一部品種は時期によって低農薬の時もある

人間の癌と根頭癌腫病

バラの根頭癌腫病を調べる際に
癌腫で検索すると
人間の癌腫が山のように検索されます

さて「癌」とはなんでしょうか?
ヒトとバラとの違いを説明しましょう

まずヒトの癌の基本的なことですが
いろんなタイプの癌がありますが
遺伝子を複製する際にたまにミスが起こります
通常、その細胞は死にますが
まれに生き残り細胞分裂をするタイプの細胞
これが「癌」です

がんの発生にはいろんな経緯がありますが
代表的なものをあげると
1 コピーミス
2 老化や免疫細胞の衰え
3 ウイルスや細菌が原因

バラの根頭癌腫病に戻りますが
こちらは「3 ウイルスや細菌が原因」
となります

「1 コピーミス」
通常ヒトでは頻繁に起きます
大抵が死に誘導(アポトーシス)されたり
免疫による排除で気が付かない間に消滅するケースが多いようです

そして人間の場合多く存在する
「2 老化や免疫細胞の衰え」のタイプの癌は
上記のサイクルに追い付かないと一部がん化が進行します
これは植物にはないと考えられています

それは植物と動物(哺乳類)との大きな違いです
植物は何年もいきるので哺乳類のように
幹細胞内の遺伝子の劣化というか寿命的なものがないようです

幹細胞とは細胞の中での増殖担当で
哺乳類の場合は有限回数が設計されています
皮膚細胞なら何回、肝臓細胞なら何回という感じです

その設定が植物にはなく有効回数が哺乳類よりダントツに多いのです

※簡潔に説明するため上記の説明は正しくないです
 ただニュアンス的にはこんな感じです
 とても難しい分野の話ですが興味のある方は調べてください
 結構面白い研究が多いです
 よく「癌と不死」が結びつけるのはなぜか?
 これは細胞の回数制限(テロメア)によるもので
 その回数を突破するのが癌なのです

で、根頭癌腫の話に戻ります

根頭癌腫は「アグロバクテリウム(総称)」により
遺伝子が改変されてしまいます

この「遺伝子を改変された細胞」は上記の理由から
条件によりますが細胞がいなくなっても
半永久的コブを作り出すことになるということです

それにクラウンゴールを作るくらいの癌腫の場合
その感染したバラは「治る」ことはありません

症状はでないが保菌をした状態です

上記の説明は植物の細胞内での話

その理由から感染したバラは「挿し木」にもしない方がよい訳です

 

では土壌内ではどうでしょうか?
土壌に移行したアグロバクテリウムは狙われますので
数を大幅に減らしほかのバラへの感染を防ぎます

アグロバクテリウムは捕食される側です
しかし植物の細胞内にいれば捕食者は手出しできません

だからアグロバクテリウムはちぎれた根の細胞内にいたり
植物の細胞内にいるのです
土壌に出るのはちぎれた破片が分解される前に
他の植物に移動するためです