鉢でバラを無農薬栽培

一部品種は時期によって低農薬の時もある

店が主張する癌腫感染はご自宅の庭説とは

タイトルの
「店が主張する癌腫感染はご自宅の庭」説は
お店側の主張です

私が考える癌腫の保菌は
ほとんどはナーセリー経由だと思っています

その理由の1つは
今年、多くの癌腫を発見したところ
ほとんどが
「癌腫の多いナーセリー」(以下A社とします)のバラだったためです

A社から購入したバラ
特にA社のオリジナル育種バラに関しては
癌腫もしくは癌腫グレーでした

うちにはA社以外からも購入した古いバラがあります

そのバラ店(以下C店とします)は
圃場を持たず鉢育成のバラを販売していたので
癌腫の発生率がほぼない(わが家では癌腫発生率0%)お店です

現状、そのC店から購入したバラは
癌腫にはなっていないのです

お店がいう「癌腫がご自宅の庭での感染する」と主張を考えると
うちの庭で発生するこの癌腫の確率はおかしいのです

癌腫を発生したほとんどが
「A社」からの購入した品でした

ちなみにA社以外から購入したバラにも
癌腫は見つかっています

A社とその癌腫の見つかったお店の共通は
どちらも大きな規模で圃場にてバラを育てていることでした

セーナリーを責めるために
この記事を書いているわけではありません

「癌腫」という病原菌の現状を知るため
また自分の庭が「癌腫」という病気が蔓延しないようにするため
野性植物へ広がらないようにするため
自分なりにいろいろと調べてみました

またバラの癌腫という病気は
知名度はあるものの実態をしらない状態を危惧したことから
このような記事を書いた次第です

まず大切なのは「知る」という行為です
癌腫に関して無知だった自分でしたが
補償内だった場合はお店に癌腫に関して問い合わせ
癌腫に関する対策などを聞いてみました

まず癌腫に感染したバラと出会った場合
大変残念のことではありますが

一つ認識をしてほしいのは

バラを購入する客である私にとって
バラ栽培は「ただの趣味」です

しかしセーナリーさんたちは仕事です

それを忘れずに記事を読んでいただけるとありがたいです

お店がどんな癌腫対策をしているか
一部のお店から教えてもらいました

まずA店からですが
補償の件でメールで連絡したところ
文面から癌腫対応する切実な思いが読み取れました

そこにA店で発表している動画でも
少しでしたが癌腫の蔓延に関しても触れていました

ある程度の規模のバラ育成をしているセーナリーのほとんどは
癌腫が蔓延している現状なのかもしれません

癌腫とは1つのセーナリーさんだけの
問題ではなくバラ業界全体の問題だろうと感じました

それに「癌腫」に関して各セーナリーは
改善のためにかなりのお金と労力を費やしています
1割以上のお金が費やされていると想像しています

これはかなりの額です

汚染された圃場の減菌作業
以下は各セーナリーさんに伺ったり感じたりしたことを紹介します

★癌腫発生率が少ないセーナリーさん(以下Bさん)
(近年オリジナルのバラ店を設立した埼玉の育種家の方)
バラは連作せず、休耕するための土地を用意
圃場改良のため毎年圃場には殺菌し、そのあとに大量の放線菌を大量に撒く

★「癌腫発生率が高いお店」(A社)
水耕栽培(稲)を間に挟むためコメ農家さんから土地を借りる
メールの説明では癌腫における圃場への
メンテナンスは毎年行っているとのこと

土地の話ですので
莫大な予算を投資し対策にあたっているのです

では購入者への補償対策です
★Bさんは1年間
※基本1年補償のお店が多いようです

★A社は基本半年だが1年以内なら応相談
今回、私の場合は
補償内の癌腫が多かったため
お店の判断で1年未満で
補償対象外になったものがありました

今年購入した冬の大苗(2月に到着)が
初植え替えで癌腫だった場合(1月に癌腫報告)で
補償対象外となりました

A社とのやりとりで
岐阜大学の福井博一教授の相談の元
「半年」補償と決定したとのことでした

福井教授はあのバラ根頭がんしゅ病抵抗性台木を作った方です

その先生がおっしゃるには
「癌腫は一般的な家庭の土壌も汚染されている可能性がある」
とのことでした

それを踏まえA社は
購入後半年以上たった癌腫に関しては
・セーナリーの圃場で保菌したのではない
・各栽培者の庭が癌腫に汚染されており、それによって感染したもの
という考えだとのことを伺いました

メモ:私が思う癌腫とは
癌腫は保菌してから約3年以降に
クラウンゴールというコブが出るケースが高い病気です
コブ(クラウンゴール)ができる場合、割と時間がかかります
それにクラウンゴールがない場合でも保菌しているケースが多く
そこが癌腫が厄介なところです
保菌してるがクラウンゴールがない場合は多々あります

私はその教授がどのように「一般家庭の土壌汚染」を調査したか?
論文を探してみましたが見つかりませんでした

で、違う視点から考えました

土壌ルートでなく
剪定ばさみルートによる感染です

下記は福井先生のサイト内
https://www1.gifu-u.ac.jp/~fukui/02-1-1-1.htm

In vitro におけるバラの根頭がん腫病抵抗性の品種間差異(筆頭は福井先生でないが共著)
https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F10469462&contentNo=1

癌腫を研究するにあたって
癌腫に感染する必要があり
針に菌をつけて刺すという方法があるようです

それなりの確率で感染するようですよ

上記を踏まえると

「剪定ばさみによって感染する確率が高い」と
考えられるのです

これが
「癌腫は一般的な家庭の土壌も汚染されている可能性がある」
との説に結びつけているのかな?と考えました

ちなみにA社は剪定ばさみを常に消毒して
使用している説明を受けています

しかし

もしこれが理由だったらですが
「癌腫は一般的な家庭の土壌も汚染されている可能性がある」
としての理由より

圃場の汚染の菌感染率の方が
よほど確率が高いな~と素人ながらに思ってしまうわけです

ただ上記で説明したとおり
セーナリーさんたちは費用や労力とかなり努力をされています

「このセーナリーが悪い!!」という狭い問題でなく
バラ業界全体に癌腫汚染は広がっているのが現状のようです

政府も苦戦する農家さん(セーナリーさんたちを含め)を
応援するために対策の科研費を拡充しています

まだ環境省などは騒いでいないので
自然への蔓延はそんなに重要視化はされてないと思われます

もし環境省が騒ぎだしたら
各庭への調査なども行われるかもしれませんが
まだその段階でない、もしかしたらその段階にはならないのかもと思いました

癌腫が日本に入ってきたのは
色々な説がありますが、明治時代が有力なようです

ただ世界的にはギリシャ時代から癌腫の被害資料があります
資料があるのはギリシャ時代あたりで
言語や言葉を残すという技術が進歩した結果です
癌腫自体はもっと昔から人間のそばにおり
被害などがあったかもしれません

世界の癌腫の現状を考えると
農家の被害はいまだにありますが
自然への流出は問題になっていないので

自然への流出は少ないのかな?と思われます

さて、私なりの私の庭の対策としては

バラの数を減らしていき
癌腫バラは極力処分しますが
癌腫バラは管理ができそうな範囲内で栽培

そしてグレー癌腫(クラウンゴールができてないが保菌してそうなもの)は
暖かく見守っていく

と決めた次第です

今は癌腫とわかって育てているのは
サマルカンド」のみ

こちらは癌腫と線虫被害があります
癌腫と線虫の因果関係を考えるために
手元に残しました

グレー癌腫はたくさんあります
「ブルーグラビティ」
「アライブ」など

ちなみに癌腫になって弱っているか?

うちの場合は全く弱ってなかったです
そのまま育てても問題がないものがほとんど
なので処分するときはかなり悩みました

ただコブが導管あたりに出るタイプは
物理的に育成に影響を及ぼします

それに癌腫になった品種の
特徴に一つに休眠期にも
発根が多いことがあります

特徴的な発根がでるのですが
寒さにも強くなり
気を付けないと今年のような
暖冬の場合は花を咲かそうとします

しかし切り花業界では
癌腫に感染した株の場合
生産量は下がる
場合によっては枯れるとのことでした