鉢でバラを無農薬栽培

一部品種は時期によって低農薬の時もある

黒点病を知る6(抵抗性のあるバラ)

興味深い論文を見つけました
蓑島 綾華:「神奈川県大船植物園で発生した植物菌類病の診断と防除対策の検討」
法政大学大学院理工学・工学研究科紀要 Vol.58(2017 年 3 月)

一部引用します
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(3)バラ類黒星病の品種間における発病差異
大船植物園におけるバラ類黒星病の発病度をグラフ化した(図7).
2014年~2015年の12ヶ月間の調査で,最も発病度が高かった原種はRosa damascena(発病度: 27.2)であった.
また,黒星病の発病が観察されなかった原種は R.multiflora(0)および R. hirtula(0)であり,どちらも日本原産のバラ類であった。
さらに発病が多少見られたが,発病度が低かった原種は,R.moschata(0.04)および R.banksiae(0.17)であった.
以上より,R. multiflora(ノイバラ),R. hirtula(サンショウバラ),R. moschata および R.banksiae(モッコウバラ)はバラ類黒星病に抵抗性を持つと考えられた.
また,バラ類黒星病の発病度が低かった原種の多くは,日本原産のバラが多く,さらに Rosa 亜属 Synstylae 節に含まれていたため,バラ類の系統学的進化とバラ類黒星病抵抗性の関係性が示唆された.

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Rosa damascena(ロサ ダマスケナ)
ダマスクローズと呼ばれているバラです。
ばらの香の代表ともいえるダマスク香はこのダマスクローズから採取されています。
論文では原種とありますが、現在では原種と考えられてはいないようです。

ダマスクローズは「ガリガローズ(例:カーディナル ドゥ リシュリュー)」と「ロサ フェニキア(原種)」もしくは「ロサ モスカータ(原種)」の交雑で生じた雑種です。

返り咲き性のキャトル セゾン(ダマスクローズ)と庚申バラとの交配によりのちにブルボンローズやポートランドローズを誕生させます。
ブルボンローズ:例)ルイーズ オディエ
ポートランドローズ:例)ジャック カルチェ

【ホワイト ジャック カルティエを育てた感想】
ジャック カルチェの枝変わりのホワイト ジャック カルティエがあります
よく黒点病に強いと紹介されてますが、正直、激弱です。
血統をみるかぎり激弱であることが納得できます。
梅雨の時期で黒点病でほとんどの葉を落としますが、復活も早いです。