鉢でバラを無農薬栽培

一部品種は時期によって低農薬の時もある

紅麹は悪くない(その7)紅麹と麹の違い

紅麹を理解するためにこちらを説明します

麹菌の寿命は
人間と比べてかなり短いです
ヒトは80歳くらいが平均寿命ですが

紅麹には寿命という概念はありませんが
分裂するサイクルは1週間なので
1週間だとします

80歳と1週間では各々の流れる時間が違います
よく「耐性菌」という言葉を聞きますね
菌はこのように人間と流れる時間が違うため
世代を重ねて変化することができます

よく言われるのは
殺菌薬を使う
生き残る菌がいる
今度は生き残る菌が分裂を繰り返すと
その殺菌薬が効かなくなります

また「有性世代」と言葉があります
簡単に説明すると「オス」と「メス」がいて
世代交代を行うタイプの生き物のことです

「オス」と「メス」が交わることで
遺伝子が変化します

人間はもちろん「有性世代」ですね

菌の場合「有性世代」「無性世代」
どちらも存在します

麹菌(紅麹ではなく麹菌です)は「無性世代」と言われてきました
※近年もしかして「有性世代」の可能性もあると言われてます

「無性世代」とは簡単に言うとクローンです
体細胞分裂で分裂をいます(「分生子」といいます)
遺伝子的に同じってことですね

まあ、だから割と麹菌の遺伝子は変化が少ないのです

じゃ~「紅麹」はどうか?
無性世代と有性世代の両方を有しているようです

小林製薬
https://kobayashi.yet2.com/res/innovation-portal/need.jsf?needID=123115


次は「麹菌」「紅麹」の種を比べてみましょう

「麹菌」と呼ばれるものは
「アスペルギルス属」という仲間が多く
※麹菌の分類はとても複雑です

「紅麹」は「モナスカス属」という種類です

ちょっと難しいことをいうと
生物学的にどうか?
役目的にどうか?
それによって分類が異なります

役目的な話の場合
「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」
役目的な部分でいうと
麹菌(主にアスペルギルス属)と「紅麹」は同じ仲間になります

では生物学的にはどうかというと

全然違う種類

となります
ニホンコウジカビ(アスペルギルス オリゼー)と紅麹を比べると

分類学
ドメイン:真核生物 Eukaryota
門:子嚢菌門 Ascomycota
綱:不整子嚢菌網 Plectomycetes(ユーロチウム菌綱 Eurotiomycetes)
分類学は変化する。不整子嚢菌網の方が古いタイプの分類だが、こちらの方が分かりやすい
目:ユーロチウム目 Eurotiales

ここまで一緒です

ニホンコウジカビ(アスペルギルス オリゼー

科:マユハキタケ科 Trichocomaceae
属:コウジカビ属 Aspergillus
種:ニホンコウジカビ A. oryzae

では「紅麹」は

科:モナスカス科 Monascaceae
属:モナスカス属 Monascus
種:ベニコウジカビ M. pilosus
小林製薬の使用菌

「科」から違うので
身近で例えるなら
ヒトと犬くらい違うということですね