鉢でバラを無農薬栽培

一部品種は時期によって低農薬の時もある

カルスNC-Rその6:利用価値

「カルス」の大きな利用価値は
それはまさに「農業」での使用時

ちょうど晩秋あたりに出た作物の残渣を置いておき
そこに「カルス」を撒いて混ぜ込む
季節によって1~3週間してから植物の定植ができるのが
作業量の削減にも大きなメリットになります

 

通常、農業では作物の残渣が出る
一部の農業の方々はそれを「別の場所」で
堆肥として活用する

基本堆肥づくりは好気性がメインなため
完熟してから植物の定植となります

今回は
★なぜ好気性の場合は一緒に定植ができないか?
★なぜ好気性の方が分解が早いか?

当時、琉球大学だったかな?
EM菌が話題になりました

こちらも「カルス」のように微生物の組み合わせ技
しかし好気性がメインなので
発酵時に畑にまくと有毒ガスや熱で作物をダメにします

好気性がメインの場合は発酵時はこのようなリスクがあるため
発酵は別のところで行うんです

では
好気性が分解が早い理由は
「進化した過程で合理的システムを手に入れた」から

菌は生きていて生きるために食事をします
食事の内容は主に「糖」です
私たちは「糖」は砂糖などのことだと思いますが

砂糖も糖の一種ですが、繊維質などもすべて「糖」です
繊維質は高分子の「糖」

高分子とか分子がたくさんつながっているという意味です
その分子のつながりをカット(分解)してエネルギーにできる「糖」へ変換します

キノコなども高分子の「糖」
※多糖体と呼ばれる繊維質

それらを分解できれば「糖」を取り出すことが可能ですが
私たち人間の体では分解できないので「便」として排出されます
これを「糖」にまで分解できるのが土壌生物の強み

で、これらを糖にかえるいわゆる微生物の食事でエネルギーを生み出します
その熱が高いと植物に弊害がある訳です

でその代謝(エネルギーを生み出す)方法に
発酵系と呼吸系というのがあり
発酵系を得意とするのが嫌気系の菌
呼吸系を得意とするのが好気性の菌なんです

呼吸系の代謝の方が発酵系と比べると20倍ともいわれているほど早いのです

このシステムを手に入れたのは
「進化した過程」です

植物の進化の流れをザッと説明しましょう

地球誕生のころはまだ酸素がなかったんです
マグマなどでドロドロしている中、地球が冷やされる過程で
水素や硫化水素を餌とする微生物が誕生します
高温性のメタン菌とかです(海の中)

そしてだいぶ地球の温度が安定したころ
今度は光と水と二酸化炭素を使う生物
光合成生物たちが誕生します(海の中)
有名なのが「シアノバクテリア
これらが上記の材料を分解する過程で
大量の酸素を生み出しました
これらが現在の光合成を行う植物の祖です

このあたりから大量に生み出された酸素に適応した生物が誕生し
地球に降り注ぐ紫外線が穏やかになったあたりで
徐々に海から陸への時代が始まります

陸へ進化した植物たちを
まだ分解できる微生物たちは少なく
石炭紀では分解されるそのまま残り
今の化成燃料がとれる地層ができます

この時期に微生物の化石が発見されていないので
土壌分解する微生物がいなかったとも言われています
※微生物が化石になるのは難しいのでいたかもしれない説もあり

すごい雑ですが
ペルム紀大絶滅」で生物は多く滅亡します
これを境に新しい生物相への変化がありました

まず植物たちが大きく変わりました
裸子植物たちの大繁栄
そして恐竜時代へ続き
被子植物への進化
ここらへんで「現代の植物」たちが登場してきます

この植物たちの変化と一緒に
土壌生物たちも進化したと言われてますが
なんせ微生物たちは化石になりづらいため
なんとなく~です(化石というより土の中の物質とかで判断されている)

で、もともと発生したのが海の中なので
酸素がなくてもOKなタイプと酸素を使うタイプ、またどっちも適応タイプがいます

酸素とは私たちには必要なものですが
一種の毒でもあるんですよね

酸素って猛毒じゃん!!と思う微生物
酸素の中で少しならOK
酸素の中で生きられるけど子孫繁栄は難しいよね~

と、いろんな土壌の菌がいます
酸素は苦手なものは水中や土壌深くで暮らし
酸素あってもなくてもOKは土壌生物で植物の根っこあたり
酸素大好きタイプは土の上や葉の上など

注目の光合成菌は嫌気性が強いタイプが多く
水田とかを得意とします
基本は光が届く水の中が得意なタイプ

ただ好気性の光合成菌も発見されています
※海で発見されています

土壌にも存在するようですが
雰囲気から土の上層部でしょうね
土壌分解に関しては光合成菌より他の菌が得意なので
それらとタッグを組んで共生するタイプもいます

あの土壌菌の「ムテキング」バチルス菌光合成菌は相性がよいらしいですよ


なんせ目に見えない微生物の世界
きっと私たちにはまだ発見できない働きがたくさんあるのでしょうね